
2010年に購入されたVAIO Zは、軽量な本体と優れたデザイン、高い処理性能を兼ね備えたノートパソコンです。高価格ながら妥協のないスペックで導入され、日々の仕事から個人のWebサイト制作まで幅広い場面で活用されました。
ガラスコーティングなどで大切に保護され、SSDの交換を経て6年間使用されましたが、最終的にはメモリの故障により手放されました。購入から16年が経った現在でも、所有した中で最も満足度の高い1台として挙げられています。
これまで何台ものパソコンを購入し、買い替えてきました。Windows PCだけでなく初のIntel CPUが搭載されたMacBookも使ってきましたし、VAIOだけでも複数のモデルを所有してきました。
その中から「一番好きだったノートPCを1台だけ選んで」と聞かれたら、僕の答えは今でも変わりません。
2010年7月に購入したVAIO Z、VPCZ12AGJです。
購入価格は30万円超。約6年間使い続け、SSDが故障したときには交換して延命しました。それでも最後はメインメモリの故障によって使い続けることができなくなり、部品取りとしてヤフオクで手放しています。
あれから約10年。購入から数えれば16年ほど経ちました。それでも純粋なクラムシェル型ノートPCの中では、今でもVAIO Zが僕の中で圧倒的に1位です。
なぜそこまで好きだったのか。今振り返ると、単に高性能なPCを買ったというだけでは説明できない気がします。
VAIO Zは「デザインか性能か」を選ばなくていいPCだった
僕がVAIO Zに惹かれた一番の理由は、まずデザインでした。プレミアムカーボンの落ち着いたブラック。派手ではないのに、見れば見るほど上質に感じる外観で、今見てもカッコいいと思います。
そして2010年は、僕にとってPCの性能面でも非常に気になる時期でした。それまで使っていたCore 2 DuoシリーズからCore iシリーズへ移り、VAIO ZではCore i7-620Mを選択できました。
薄く、軽く、見た目がいい。それなのに性能まで妥協しなくていい。僕がVAIO Zに感じていた魅力を言葉にするなら、「造形美と機能美が一致していた」という表現が一番近いと思います。
見た目だけなら、他に欲しいPCはありませんでした。しかし性能だけなら、それを満たすPCもあったでしょう。でも、その両方を同時に「これだ」と思わせてくれたのがVAIO Zでした。
それもそのはず。当時の開発者の方々にインタビューした内容がSONYのHP内に残っていました。
それをご覧いただければこの商品に対する熱量がこだわりと共に伝わると思います。
こちらからどうぞ
欲しかった。でも30万円超をすぐには出せなかった
そこまで惚れたならすぐ買ったのかというと、実際には約5か月待っています。欲しくなくなったわけではなく、買うつもりではいました。
ただ、当時はほかにも支払いがありました。いくら欲しいとはいえ、30万円を超えるノートPCです。さすがに勢いだけで注文できる金額ではありませんでした。
そうこうしているうちに夏のボーナス商戦の時期になり、VAIO ZもVPCZ11系からVPCZ12系へ更新。ソニースタイルのオーナーメードでもキャンペーンが行われていました。
そこでようやく、「今だ」と決めました。
CPUとメモリは最初から妥協する気がなかった
VAIO Zはオーナーメードで注文しました。CPUとメモリについては、最初から上位構成を選ぶつもりでした。
CPUはCore i7-620M。メモリはDDR3 4GB×2(デュアルチャネル)で8GB。2026年の感覚では何でもない容量というか少なめな印象ですが、2010年のノートPCで8GBというのは、贅沢な構成でして自分にとって思い切った構成でした。
一方で、悩んだのがストレージです。僕が選んだのは256GBのクアッドSSD。記憶では64GBのSSDを4基使ったRAID 0構成です。
512GBも選択肢にありましたが、当時の使い方を考えると「さすがに512GBはいらない」と判断しました。最高のCPUと最大容量のメモリは欲しい。でも、使わない容量にまでお金を出す必要はない。
今振り返ると、何でもかんでも最上位にしたかったわけではなく、自分なりに必要なところへお金をかけていたんだと思います。持ち歩くつもりだったので、ACアダプターもスリムタイプを選びました。
注文してから届くまでは約1か月。そして、暑い夏の日に待ちに待ったVAIO Zが届きました。
箱から出した瞬間、「上質」という言葉しか出てこなかった
届いたVAIO Zを初めて見たときのことは、今でも覚えています。まず感じたのは、「上質だな」ということでした。
写真で何度も見ていたプレミアムカーボンでしたが、実物を目の前にしたときの印象はやはり違いました。そして持ち上げてみると、とにかく軽い。
1kgを少し超える程度の本体を手にして、「こんなに軽いのに、本当になんでもこなせるの?」と思ったほどです。ところが電源を入れてみると速い。
当時、自宅にはほかにもWindowsを動かしているPCがありましたが、純粋にWindowsマシンとして比べるとVAIO Zの速さは圧倒的に感じました。
OSはWindows 7。僕は歴代Windowsの中でも今なおWindows 7が一番好きです。特にUIが分かりやすく、使っていて迷いにくかったことを覚えています。
上質で、軽くて、速い。買う前に感じていた「造形美と機能美の両立」は、実際に触ってみても裏切られませんでした。
気づけば、どこへ行くにもVAIO Zを持っていった
そこから約6年間、VAIO Zはいろいろな場所へ持っていきました。職場にも、出張にも、旅行にも持っていきました。
Yahoo!オークションへ出品したり、質問への回答をしたり、Yahoo!ブログを更新したり。仕事で営業資料を忘れたときには、VAIO Zを使ってデータを用意し、コンビニで印刷して切り抜けたこともあります。
今考えると、ちょっとズルい使い方だったかもしれません。でも、それだけ「とりあえずZを持っていけば何とかなる」と思っていたのでしょう。
スペック表では「軽量・高性能なモバイルノート」と表現できても、僕にとっての価値はもっと単純でした。どこへでも持っていけて、そこでやりたいことができる。それがVAIO Zでした。
今のmasakaz.blogにつながることも、VAIO Zでやっていた
VAIO Zを使っていた頃、Yahoo!ブログとは別に自分のWebサイトも作っていました。当時は今のように「とりあえずWordPress」という感覚ではなく、いろいろなCMSが存在感を競っていた時代だったと記憶しています。
僕自身もDrupalを使い、その後Joomla!へ移行しました。FTPソフトを使ってファイルを転送し、サイトをいじる。さらにAdobe Creative Suite CS5 Web Premiumまで購入しました。
これを買った理由も単純で、「自分のサイトを、自分の手でもっとカッコよく作りたい」と思ったからです。
ところが、現実はそんなに甘くありませんでした。道具を揃えたところで、肝心の「何を書くのか」で手が止まります。当時はAIなんてありません。
文章を書くのも遅ければ、どんなコンテンツを作ればいいのかも分からない。高価なCS5 Web Premiumを買ったものの、結局使いこなしたとは言えません。今振り返れば、僕の用途ならPhotoshopだけでも十分だったかもしれません。
それでも面白いと思うのは、2026年の今、僕がmasakaz.blogでやっていることの原型のようなものを、すでにVAIO Zを使っていた頃にもやろうとしていたことです。
PCは変わりました。使うサービスもソフトも変わりました。でも「自分の場所を作って、自分のコンテンツを発信したい」という部分は、16年前からあまり変わっていないようです。
好きすぎて、仕事で扱っていたガラスコーティングまで施工した
VAIO Zは持ち歩いて使うPCでした。当然、傷や汚れは気になります。そこで僕は、ボディにガラスコーティングを施工しました。
しかもPC用としてたまたま買ってきた製品ではありません。当時勤めていた会社で扱っていたガラスコーティングです。僕自身、その製品が好きだったので、「これならVAIO Zにも使いたい」と思って施工しました。
さらにキーボードにはシリコンカバー。持ち運ぶときには、当時ソニースタイル限定で販売されていたBRIEFINGのケースまで用意しました。
30万円以上出して買ったPCにガラスコーティングをして、キーボードを保護して、専用ケースに入れて持ち歩く。今振り返ると、相当大事にしていたんだと思います。
でも、この過保護とも言える使い方には、最後にちゃんと結果がついてきました。
SSDが壊れても、「買い替えよう」とは思わなかった
もちろん、6年間ずっと何事もなく使えたわけではありません。途中でSSDが故障しました。
普通なら、それをきっかけに新しいPCへ買い替えてもおかしくありません。でも僕はSSDを交換しました。
まだ使いたかったからです。
Windows 10にもアップデートし、できれば2020年頃まで使えたらと思っていました。つまり僕がVAIO Zを手放したのは、「そろそろ新しいPCが欲しくなったから」ではありません。
最後まで、使えるなら使いたかったんです。
最後に壊れたのは、交換できないメインメモリだった
SSDを交換して延命したVAIO Zでしたが、最後はメインメモリが故障しました。基板にはんだ付けされている部分です。SSDのように交換して終わり、とはいきません。
ここでとうとう使い続けることを諦めました。「手放した」というより、「手放さざるを得なかった」。今でも、その表現の方がしっくりきます。
そして皮肉なことに、中身が壊れてしまったVAIO Zの外装は驚くほどきれいでした。6年間使ったにもかかわらず、パームレストもキーボードも新品と見間違えるほどの状態でした。
ガラスコーティング、キーボードカバー、BRIEFINGのケース。買った直後から続けてきた過保護な扱いが、最後に全部つながりました。
「一部分だけでも生き延びてくれ」と思って送り出した
完全に動かなくなったVAIO Zは、部品取り用としてYahoo!オークションに出品しました。処分するのではなく、使える部品を誰かに使ってもらうことにしたんです。
送り出すときに思ったのは、「今までありがとう」ということ。そしてもう一つ、部品になってもいいから、別のVAIO Zの一部分として生き延びてくれ。そんなことを考えていました。
たかがPCと言ってしまえば、それまでです。でも6年間、職場にも出張にも旅行にも持っていき、自分がやりたいことに付き合わせ続けたPCです。僕にとっては、そう簡単に割り切れる存在ではありませんでした。
16年経った今でも、VAIO Zが僕の中では1位
今はもっと速いPCを使っています。メモリ容量もSSD容量も、VAIO Zを買った2010年とは比較になりません。だから、2026年の基準でVAIO Zの性能を評価することには、あまり意味がないと思っています。
それでも「これまで所有してよかったノートPCは?」と聞かれれば、僕は今でもVPCZ12AGJを選びます。性能だけが理由ではありません。
プレミアムカーボンに惚れて、Core i7と8GBメモリを選び、届くまで待ち、あちこちへ持ち歩き、ブログを書き、Webサイトを作り、仕事にも使いました。傷を付けたくなくてガラスコーティングまでして、SSDが壊れても交換しました。
そして最後は、自分から買い替えたのではなく、直せないところまで壊れてしまったから別れました。
だから、もし今、新品同様のVPCZ12AGJを目の前に置かれたとしても、いきなりキーボードを触ったりはしないと思います。
まず、眺めたい。それから持ち上げて、あの軽さをもう一度確かめたい。そして、そのあとで電源を入れたい。
いきなり触れられるほど、僕にとって軽い存在じゃないんです。

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